Talk Title DL & holographic QCD
Speaker Akinori Tanaka (RIKEN, Wako)
Time & Location , Room 741E
Abstract There is no doubt about that the deep learning (DL) is the one of the recent epoch-making achievement of the science. Recently, there are some movements in scientific community to apply DL or machine learning techniques to study their research fields. Even particle physics and string theory are not out of that movements. In this talk, I will review the concept of DL and our proposal to apply it to find gravity dual of given field theory. After that, I talk on our recent application in the context of holographic QCD.
Reference(s) arXiv:1809.10536 [hep-th]

Talk Title 熱力学第2法則によるエネルギー固有値の凹性
Speaker Chigak Itoi (Nihon U., Tokyo)
Time & Location , Room 741E
Abstract 熱力学の不可逆性を力学によって理解しようという試みはBoltzmann以来150年以上の歴史があるが,困難であり今日でも発展途上にある.ここでは,熱力学第2法則の成立の有無を時間に依存する外からの摂動によって制御される有限自由度の量子多体系に対して考察する.エネルギー固有状態を初期状態とするSchrödinger方程式の初期値問題を摂動の結合定数が瞬時に変化するクエンチ過程に対して解き,系の行う仕事の期待値を評価し対応する準静的仕事と比較する.このときエネルギー固有値が結合定数の凹関数であれば,クエンチ過程で系の行う仕事は準静的仕事を越えないという不等式を断熱定理とHellmann-Feynmanの定理を用いて証明する. すなわち,エネルギー固有値が凹関数となる系は熱力学第2法則の一つの表現である断熱環境における最大仕事の原理に従うことが分かる.この定理は系内の相互作用に依らずに成り立つので,様々な系に対して断熱最大仕事の原理を確認でき,量子力学系の時間に依存した問題を時間に依存しない問題に帰着できるという意味でも有用である.さらに無摂動ハミルトニアンの期待値が結合定数の単調増加関数であればエネルギー固有値が結合定数の凹関数であることを証明できるので,エネルギー固有値の凹性は直感的に受け入れやすい. 実際,簡単な模型でエネルギー固有値が結合定数の凹関数となることを確認する.
Reference(s) arXiv:1911.01693 [cond-mat.stat-mech]

Talk Title ハイパーカミオカンデが目指す物理
Speaker Hide-Kazu Tanaka (Tokyo U., ICRR)
Time & Location , Room 741E
Abstract The Super-Kamiokande detector has been providing fascinating results in particle physics and astrophysics over more than 20 years, most notably the discovery of neutrino oscillation which was awarded the 2015 Nobel Prize in Physics. The Hyper-Kamiokande (Hyper-K), as a straightforward extension of the Super-Kamiokande, will provide major new capabilities to make new discoveries in particle and astroparticle physics thanks to an order of magnitude increase in detector mass and improvements in photon-detection system along with the envisioned J-PARC Megawatt-class neutrino beam. The Hyper-K and J-PARC neutrino beam measurement of neutrino oscillation is more likely to provide a 5-sigma discovery of CP violation than any other existing experiment. Hyper-K will also be the world leader for nucleon decays. The sensitivity to the partial lifetime of protons for the decay modes of $p\to e^{+}\pi^{0}$ is expected to exceed $10^{35}$ years. The Hyper-K detector is expected to start operation in ∼2027.
Reference(s)

Talk Title String Regge trajectory on de Sitter space and implications for inflation
Speaker Toshifumi Noumi (Kobe U.)
Time & Location , Room 741E
Abstract I will discuss the spectrum of semiclassical rotating strings on de Sitter space and its consistency, generalizing the Gubser-Klebanov-Polyakov (GKP) string analysis on anti-de Sitter space. Even though a naive extrapolation of the linear Regge trajectory on flat space implies a violation of the Higuchi bound (a unitarity bound on the mass of higher-spin particles in de Sitter space), the curved space effects turn out to modify the trajectory to respect the bound. Interestingly, there exists a maximum spin for each Regge trajectory as a consequence of accelerated expansion, which is helpful to make the spectrum consistent with the Higuchi bound, but at the same time it could be an obstruction to stringy UV completion based on an infinite higher-spin tower. We discuss its possible implication for early universe inflation to motivate further studies in this direction.
Reference(s) arXiv:1907.02535 [hep-th]

Talk Title 弱値と弱測定の最近の発展について
Speaker Kazuhiro Yokota (Nihon U., IQS)
Time & Location , Room 741E
Abstract 弱測定(weak measurement)は、測定対象となる量子系を乱さずに物理量を得る測定手法であり、1988年にアハラノフ(Y.Aharonov)たちによって提案された。弱測定の結果得られる値は、弱値(weak value)と呼ばれる。弱測定は、量子基礎に対する新しいアプローチを与えるものとして近年注目されており、特に量子パラドックスの観測は、この分野が注目される発端の一つとなった。本発表でもハーディのパラドックスを題材にして、弱測定と弱値を導入する。
弱値は定義上、固有値の範囲を逸脱するような特異な値を取り得る。このような弱値が物理的に有意な指標なのか、物理量として機能するのかについても議論する。具体例として、ディラック方程式を取り上げ、階段型ポテンシャルによる対生成が弱値を使って定量的に説明できることを示す。
また、弱測定は基礎的な研究だけでなく、信号増幅による高感度測定や量子状態の直接的観測などの応用も期待されており、本発表でも紹介したい。
Reference(s)

Talk Title ブラックホール情報喪失問題を半古典重力で考え直す。
Speaker Kento Sugiyama (Shizuoka U.)
Time & Location , Room 741E
Abstract ブラックホール(BH)は形成後にHawking輻射によって熱的に蒸発し、消滅すると考えられている。この過程の下では、BHを構成する内部の物質の情報は失われてしまう。このBH情報喪失問題は、現代物理学における難問の1つであり、この解決に向けて様々な提案が行われている。
本研究で、私達はBH情報喪失問題の解決に向けてBH時空の形成・消滅過程を半古典重力の枠組みで考え直す。特にこれまで半古典的な時空を評価する上であまり重要とは思われてこなかったHawking輻射の高い角運動量モードの寄与に着目し、この寄与を含めた際に情報喪失問題が自然に解決される時空の大きな変更が起こる可能性を紹介する。
なお、この講演は静岡大学の森田健氏と進行中の共同研究に基づく。
Reference(s)

Talk Title TBA equations and resurgent Quantum Mechanics
Speaker Katsushi Ito (Tokyo Inst. Tech.)
Time & Location , Room 741E
Abstract 多項式型のポテンシャルを持つ1次元量子力学系におけるexact WKB周期の満たす熱力学的ベーテ仮説(TBA)方程式を導出する。このTBA方程式はODE/IM対応と呼ばれる常微分方程式と量子可積分模型の間の対応の拡張を与えるとともに、Vorosによって提案されたresurgenceによるexact WKB周期に対するRiemann-Hilbert問題の解を具体的に与えている。本講演では, N=2超対称ゲージ理論の量子Seiberg-Witten曲線やPT-対称量子力学のスペクトル問題への応用も含めTBA方程式とresurgenceの手法を用いた量子力学におけるexact WKB法の関係について説明する。この研究はMarcos MarinoおよびHongfei Shuとの共同研究(arXiv:1811.04812[hep-th], 1910.09406[hep-th])に基づく。
Reference(s) arXiv:1811.04812 [hep-th]
arXiv:1910.09406 [hep-th]

Talk Title Bateman 模型と修正された Bateman 模型に基づく減衰調和振動子の量子化
Speaker Yuki Fujiwara (Nihon U., Tokyo)
Time & Location , Room 741E
Abstract 減衰調和振動子の量子化の方法として,Bateman 模型に基づく正準量子化がある.この模型は時間にあらわに依存しないという望ましい特徴を持つが,減衰振動とは独立に増幅振動も同時に記述する.Bateman 模型に基づく量子化は1977年に Feshbach と Tikochinsky によって SU(1,1) Lie 代数を用いて行われた.しかし,得られるハミルトニアン固有値は不定値となり,通常の力学的な見方をする場合,エネルギーは下限を持たないという問題が生じる.
本講演では,Feshbach と Tikochinsky と同様の結果をより簡単な方法で導く.さらに,別の方法として虚数スケーリング変換を適用して,新たなハミルトニアン固有値を得る.
また,本講演では減衰振動のみを記述する修正された Bateman 模型を提案して,この模型に基づく量子化を議論する.その際,減衰調和振動子の量子力学的な振る舞いを明らかにする.
Reference(s)

Talk Title Linearized Field Equations of Gauge Fields from the Entanglement First Law
Speaker Yoshiaki Tanii (Saitama U.)
Time & Location , Room 741E
Abstract In the context of the AdS/CFT correspondence linearized field equations of vector and antisymmetric tensor gauge fields around an AdS background are obtained from the entanglement first law of CFTs. The holographic charged entanglement entropy contains a term depending on the gauge field in addition to the Ryu–Takayanagi formula.
Reference(s) arXiv:1905.10084 [hep-th]

Talk Title ゼロ相関とエンタングルメント
Speaker Toru Ohira (Nagoya U.)
Time & Location , Room 741E
Abstract 古典確率においては、確率的な独立とゼロ相関はともに「無関係」を示す指標であるが, 概念としては異なる. 一般には、独立であればゼロ相関であるが逆は成り立たない. しかし, 二つの確率変数, $X$, $Y$が, それぞれ二値を取る場合においては逆も成り立つ. $(E[XY]-E[X][Y]=0$ ならば $P(X:Y) = P(X)P(Y)$.) よって, (a) 「独立でない場合は決してゼロ相関にはならない」, といえる. これを参照して$2\times2$システム(二粒子スピン1/2系を含む)での量子エンタングルメントについて考察する. 結果としては, (b) 「上記を記述するどのようなエンタングル純粋状態ベクトルであっても, 必ずゼロ相関($\langle QR\rangle-\langle Q\rangle\langle R\rangle=0$)となる2つの物理観測量(エルミート行列)が存在する」, との証明を得た. (a) と(b) を比べると簡素な$2\times2$システムにおいて, 古典確率の「常識」が、逆に量子系で成り立っていて, 量子と古典の境界の一例を提示している. 上記の定理について紹介したあと, 今後の展開について議論や示唆を頂きたいと考えている.
Reference(s) [1] T. Ohira, PTEP 2018 (2018) no.8, 083A02
[2] T. Ohira, arXiv:1909.01343 [quant-ph]

Talk Title Einstein Rings in Holography
Speaker Keiju Murata (Nihon U., Tokyo)
Time & Location , Room 741E
Abstract AdS/CFT対応によると、ある種の熱場の理論はAdS時空中のブラックホールに対応する。そのブラックホールの姿を、場の理論の観測量を通して見ることはできないだろうか?天文学においては、ブラックホールの"直接"観測とは、フォトンリングの観測のことである。ブラックホール周りの光源を観測すると、光の一部はブラックホールに吸い込まれてしまうため、ブラックホールの縁にリング状に広がった光源の像(フォトンリング)が観測されるのである。我々は、AdS/CFT対応において同様なセットアップを考える。球形のAdSブラックホール時空を用意して、そのAdS境界の一点に局在化した外場を与える。場の理論側の物理量として、その外場に対する応答関数が得られる。その応答関数には、ブラックホール時空を通ってきたバルク場の情報が含まれており、そこからフォトンリングを構成することが出来ることを示す。ある熱場の理論に対し、ブラックホール描像が存在するかどうかを判定するテストとして、このAdSブラックホールが作るフォトンリングの観測が使える可能性がある。
Reference(s) arXiv:1906.09113 [hep-th]

Talk Title Asymmetric Dark Matter の可能性
Speaker Masahiro Ibe (Tokyo U., ICRR)
Time & Location , Room 741E
Abstract Asymmetric Dark Matter は宇宙の通常の物質と暗黒物質の質量密度比がなぜ 1 : 5 程度と近いのかといういわゆるバリオン–暗黒物質偶然一致問題を解決しうる枠組みとなっており sub-GeV から GeV 程度の質量の暗黒物質を予言する。このセミナーでは Asymmetric Dark Matter の一般的な枠組みのレビューと最近講演者が提案したQCD に似た強い相互作用に基づく模型およびその実験的検証可能性について議論する。
Reference(s)

Talk Title 開弦の場の理論の多重ブレイン解とベルヌーイ数
Speaker Hiroyuki Hata (Kyoto U.)
Time & Location , Room 741E
Abstract 「弦の場の理論」は弦座標$X(\sigma)$の汎関数である弦場を力学変数とする弦理論の定式化であり、タキオン凝縮等の非摂動論的現象の解析に役立ってきた。そこにおいて重要なのが、弦の場の理論における運動方程式の古典解の構築である。本セミナーでは、Witten型開弦の場の理論において、任意枚数の多重D25ブレインを表わす厳密解の構成法を与える。$(N+1)$枚ブレイン解は$[N/2]$個の実数パラメータを持ち、解に対する自然な要求からパラメータがベルヌーイ数を用いて表現されることを説明する。
Reference(s) arXiv:1908.07177 [hep-th]

Talk Title 陽子と中性子のスピンの構造—スピンはどのように作られているか—
Speaker Toshiaki Shibata (Nihon U., Tokyo)
Time & Location , Room 842
Abstract 陽子と中性子は我々の周りの物質や天体を形成している基本的な粒子であるが、その内部にはクォーク、反クォーク、グルーオンがあり、量子色力学(QCD)によって研究がなされている。実験では高エネルギーの電子やミューオンビームを用いた深非弾性散乱や陽子-陽子衝突実験などが行なわれている。その中でも陽子と中性子のスピンの構造は注目を集めている。陽子と中性子はスピン1/2を持っているが、それに対するクォークと反クォークのスピンの寄与は約33%であることが実験でわかってきた。陽子と中性子のスピンに対するグルーオンのスピンの寄与やクォーク、グルーオンの軌道角運動量の寄与も実験で調べられている。これらは摂動的、非摂動的QCDの検証の場となっている。この分野の研究の状況を紹介する。
Reference(s) 柴田利明, 日本物理学会誌 Vol.67 (2012), No.11, 738–745

Talk Title 't Hooft アノマリー整合条件とフェルミオン双線形凝縮のないカイラル対称性の破れ
Speaker Satoshi Yamaguchi (Osaka U.)
Time & Location , Room 741E
Abstract 't Hooft アノマリー整合条件は強結合の場の理論の解析において有用な手法の一つである。最近では、高次形式対称性などの新しいタイプの対称性を含むような 't Hooft アノマリー整合条件を用いて、場の理論の相構造について新しい結果が得られている。今回は、この 't Hooft アノマリー整合条件について説明した後、あるクラスのゲージ理論への応用について述べる。特に SU(6) ゲージ理論で3階反対称テンソル表現の Weyl フェルミオンを一つ含むような理論では、フェルミオン双線形凝縮はないにもかかわらず、カイラル対称性が破れるというエキゾチックなことが起こることを説明する。
Reference(s) arXiv:1811.09390 [hep-th]

Talk Title 重力波伝播による重力理論の検証
Speaker Atsushi Nishizawa (Tokyo U., RESCEU)
Time & Location , Room 741E
Abstract 重力波検出器 LIGO と VIRGO が中性子連星合体からの重力波を初検出し、ガンマ線バーストとの到来時間差から重力波の伝播速度が非常に精密に測定された。この結果により、あるクラスの修正重力理論に対して非常に強い制限が与えられた。一方で、重力定数の時間変化も重力波伝播にとっては重要な観測量であるが、現在のところ非常に弱い制限しか得られていない。本セミナーでは、重力理論の検証と重力波観測の現状を概観し、重力波伝播による重力理論検証の理論的枠組みについて解説する。そして、現在得られている重力理論への制限、および、将来期待される観測的制限について紹介する。
Reference(s)

Talk Title 減衰振動子系の量子化と不安定性
Speaker Hiroki Majima (Salesian Polytechnic)
Time & Location , Room 741E
Abstract 量子系における散逸の問題は,共振器QEDや深部非弾性重イオン衝突など,種々の現象の解析で必要となるばかりではなく,開放量子系の安定性や熱のミクロな表現を議論する上で重要である。講演では、量子散逸の最も簡単なモデルである減衰振動子を題材に,その正準量子化と系の不安定性を議論する.また,散逸がもたらす効果のみを効果的に議論するために,ゼロ質量のモデルを解析した結果を解説する.
Reference(s)

Talk Title ミューオン異常磁気能率に対する標準理論計算:最近の進展
Speaker Daisuke Nomura (KEK, Tsukuba)
Time & Location , Room 741E
Abstract ミューオンの異常磁気能率 (muon g-2) は標準模型を超える物理を探る上で非常に有望な観測量である。近年のパイオン形状因子の高精度な実験データや理論計算の進展によって、muon g-2 の実験値と理論値(標準模型からの予言値)との間には 3.7 シグマもの不一致があることが報告されている。このような状況の中、今年中には米国フェルミ研究所 (Fermilab) から muon g-2 の新しい実験値が発表されることが期待されている。また日本の J-PARC でも米国ブルックヘブン研究所での先行実験や Fermilab の実験とはまったく違った方法で muon g-2 を測定する実験の準備が着実に進んでいる。この講演では muon g-2 の理論的な側面を概観し、中でも最も不定性の大きな寄与であるハドロンからの寄与について解説する。
Reference(s)

Talk Title 量子ゆらぎを用いた機械学習の可能性
Speaker Masayuki Ohzeki (Tohoku U.)
Time & Location , Room 741E
Abstract 機械学習の「学習」部分は最適化問題であり、古くより物理学で愛用されてきた変分法である。そこで結果として得られる手法は勾配法と呼ばれ、ある種のダイナミクスを記述することとなる。素朴にその結果に量子ゆらぎを導入するとどうなるだろうか。機械学習において、重要なのは学習時に利用される訓練データとは別に用意されたテストデータに対する性能、汎化性能を引き上げることである。この量子揺らぎが汎化性能を引き上げる可能性を持つことを紹介する。他にも量子ゆらぎを利用した実験を行うことができるようになった現在、量子ゆらぎがもたらすユニークな現象についても時間の許す限り触れたい。
Reference(s)

Talk Title Leptogenesis via Neutrino Oscillation Magic
Speaker Ryuichiro Kitano (KEK, Tsukuba)
Time & Location , Room 741E
Abstract The possibility of generating the baryon asymmetry of the Universe via flavor oscillation in the early Universe is discussed. After the inflation, leptons are born in some states, travel in the medium, and are eventually projected onto flavor eigenstates due to the scattering via the Yukawa interactions. By using the Lagrangian of the Standard Model with the Majorana neutrino mass terms, $llHH$, we follow the time evolution of the density matrices of the leptons in this very first stage of the Universe and show that the CP violation in the flavor oscillation can explain the baryon asymmetry of the Universe. In the scenario where the reheating is caused by the decay of the inflaton into the Higgs bosons, the baryon asymmetry is generated by the CP phases in the Pontecorvo-Maki-Nakagawa-Sakata matrix and thus can be tested by the low energy neutrino experiments.
Reference(s)

Talk Title 超弦は三世代を説明するか?—F理論の最近の進展と素粒子模型構築への展望—
Speaker Shun'ya Mizoguchi (KEK, Tsukuba)
Time & Location , Room 741E
Abstract F理論とは、SL(2,Z)モノドロミーで同一視されるブレーンの癒合/交差によって例外型ゲージ対称性やスピナー表現の物質場を実現する「非摂動論的な」タイプIIB超弦の超弦理論のことだが、1996年の Vafa によるその「発見」以来、その本質について特にわが国では長い間(例えば12次元の仮想的な理論などのような)誤った理解がなされてきた。一方、近年のLHCでのやや重いヒッグズの発見や低エネルギーSUSYの不存在の確認は、標準模型を超えた物理が非常に高いエネルギースケールの物理と直接関係することを示唆しており、超弦が将来実験や観測で検証可能な予言に直接関わってくる可能性がある。
 本講演では、このような F理論に関するイントロからはじめて誤解を解きつつ、特にD-ブレーン模型の困難(①SU(5)大統一理論(GUT)にならないのでゲージ結合定数の統一やクォーク/レプトンのハイパーチャージを説明できない ②素粒子1世代分に対応するSU(10)のスピナー表現を実現できない ③余分なU(1)対称性のためにアップ型湯川結合が禁止されてしまう)をすべて解消するとともにモジュライ安定化が比較的取り組みやすいF理論の最近の進展と素粒子模型構築への展望に関して、最新の研究を交えながらお話ししたい。
Reference(s)

Talk Title LHC-ATLAS 実験の最新結果
Speaker Yasuyuki Okumura (Tokyo U., ICEPP)
Time & Location , Room 741E
Abstract LHC 実験は 2015 年から 2018 年までの、 Run2 と呼ばれるデータ収集プログラムを完了し、ATLAS 実験は陽子陽子衝突系のエネルギー 13 TeV で、 150/fb のデータを収集することに成功した。 Run2 実験データを用いて、Run1 で発見されたヒッグス粒子の理解が次々と進み、特に高統計を必要とするトップクォーク対随伴生成過程の測定やヒッグス粒子のボトムクォーク対への崩壊過程の観測が達成された。また新物理の探索も、様々なアイデアを投入して遂行している。世界最高エネルギー実験、最先端技術が結集した検出器システム、高統計データの強みを生かし、これまで未探索であった領域にアクセスするための技術開発を伴う探索解析を行っている。本セミナーでは、 LHC Run2 実験プログラムを振り返り、データ収集の苦労話、物理解析結果のダイジェストを通じて LHC-ATLAS 実験の最新結果について議論をしたい。
Reference(s)

Talk Title Supersymmetric interpretation of kaon anomaly
Speaker Satoshi Mishima (KEK, Tsukuba)
Time & Location , Room 831
Abstract 近年の格子QCD計算の進展により$K\to\pi\pi$ 崩壊の崩壊行列要素の計算が可能となり、この崩壊の直接的CP対称性の破れを表す量である $\varepsilon^{\prime}/\varepsilon$ の理論値と実験値の間に 2.8$\sigma$ 程度のズレがあることが報告されている。本講演では $K\to\pi\pi$ 崩壊と $\varepsilon^{\prime}/\varepsilon$ について紹介した後、このズレの最小超対称標準模型における説明可能性について議論する。
Reference(s)

Talk Title ベクトルポテンシャルの古典力学的意味とベクトルポテンシャルを用いない量子力学
Speaker Shogo Tanimura (Nagoya U.)
Time & Location , Room 741E
Abstract 古典電磁気学ではベクトルポテンシャルは計算のための道具にすぎないとみなされることが多い。私は、スカラーポテンシャルが電荷の位置エネルギーという意味を持つのと同様に、ベクトルポテンシャルは電流に対する位置エネルギーという役割を持つことを示す。一方で、量子力学ではベクトルポテンシャルの方が磁場よりも本質的であるとみなされることが多い。私は、ベクトルポテンシャルの存在を仮定せずに磁場の概念だけを用いて量子力学が定式化できることを示す。
Reference(s) [1] 谷村省吾, 2019年3月, 日本物理学会発表資料 [PDF]
[2] L. Vaidman, Phys. Rev. A86 (2012) 040101

Talk Title AdS/CFT対応における繰り込み群と情報幾何
Speaker Asato Tsuchiya (Shizuoka U.)
Time & Location , Room 741E
Abstract AdS/CFT対応においてバルクの幾何を場の量子論の情報からどのように構築するかについて考察する。笠・高柳公式とMERAとcMERAをレヴューした後、これらを動機として、繰り込み群に基づいて、場の量子論における情報計量とバルクの幾何の関係について議論する。
Reference(s)

Talk Title O(D,D) gauge fields in the T-dual string Lagrangian
Speaker Machiko Hatsuda (Juntendo U. & KEK, Tsukuba)
Time & Location , Room 741E
Abstract We present the string Lagrangian with manifest T-duality. Not only zero-modes but also all string modes are doubled. The gravitational field is an O(D,D) gauge field. We give a Lagrangian version of the section condition for the gauge invariance which compensates the O(D,D) transformation from the gravitational field and the GL(2D) coordinate transformation. We also show the gauge invariance of the line element of the manifest T-duality space and the O(D,D) condition on the background. Different sections describe dual spaces.
Reference(s) JHEP 02 (2019) 010