Talk Title To Be Announced
Speaker Hiroshi Ogawa (Nihon U., Tokyo)
Time & Location , Room 458
Abstract
Reference(s)

Talk Title ETH and Modular Invariance of 2d CFTs
Speaker Yuya Kusuki (Kyoto U., Yukawa Inst.)
Time & Location , Room 458
Abstract ホログラフィックCFTの理解を進める上でブートストラップ的アプローチは非常に有用である。本講演では、特にモジュラーブートストラップを用いてホログラフィックCFTの普遍的性質を見つける事を目的とした研究について解説する。具体的なアプローチとしては、トーラス上二点関数のモジュラーブートストラップの高温-低温極限を考えることで、Heavy-Heavy-Light三点関数に対する普遍的公式を導くといったものである。これはトーラス上零点関数のモジュラーブートストラップからカーディー公式を導く流れとほぼ同じである。ここで、一般に期待されている「ホログラフィックCFTはカオス系である」という主張が正しいとすると、こうして求まったHeavy-Heavy-Light三点関数はEigenstate Thermalization Hypothesis(ETH)と無矛盾であるべきと期待される。我々の研究結果は実際にこれと無矛盾であるため、本研究を通して「ホログラフィックCFTがカオス系である」という主張の一つの根拠を与える事が出来たと言える。また、上記アプローチの別の発展として、シリンダー上零点関数の高温-低温極限を考えることも出来る。最後に、ここから求まる普遍的性質(境界状態に対する普遍的な公式)について解説することにする。
Reference(s) arXiv:1804.09658 [hep-th]

Talk Title Knot solitons in the $F_2$ Skyrme-Faddeev-Niemi model
Speaker Yuki Amari (Tokyo U. of Sci.)
Time & Location , Room 458
Abstract 結び目ソリトンはQCDや超伝導、ネマティック液晶など、物理のさまざまな分野において現れると考えられている。これまでは、SU(2) Yang-Mills理論や Heisenberg模型などの有効模型であるSkyrme-Faddeev-Niemi(SFN)模型における結び目ソリトンについて盛んに議論されてきた。我々は、SU(3)へ拡張されたSFN模型において結び目ソリトンの存在を確認した。そのソリトンは、グルーボールを記述する有力な候補であると同時に、SU(3)対称性を持つ磁性相であるスピン液晶において現れると考えられる。本講演では、主に模型の数学的な性質や解の構成法について詳細に議論する。
Reference(s) arXiv:1805.10008 [hep-th]

Talk Title A Self-consistent Solution of Evaporating Black Holes
Speaker Yuki Yokokura (RIKEN, Wako)
Time & Location , Room 458
Abstract Black holes evaporate by nature. We obtain a self-consistent solution of the semi-classical Einstein equation including the backreaction of the collapsing matter and evaporation. It indicates that a collapsing matter becomes a dense object without horizon or singularity, and it has a surface and looks like a usual black hole from the outside. Hawking radiation and a strong tangential pressure occur inside the object, which is consistent with 4D Weyl anomaly. Any object we recognize as a black hole should be such an object. When a black hole is formed adiabatically in the heat bath, the entropy area law is obtained by integrating the entropy density over the interior region. This implies that the black hole has the information not on the surface but in the interior.
Reference(s) arXiv:1701.03455 [hep-th]

Talk Title An Introduction to PT Symmetry In Quantum Mechanics
Speaker Pinaki Roy (Indian Statistical Inst., Kolkata)
Time & Location , Room 458
Abstract Generally PT symmetry is associated with complex potentials for which the Schrödinger equations admit real eigenvalues. We introduce the concept of PT symmetry in quantum mechanics through elementary examples. Some questions related to the norm or scalar product have also been discussed. We also discuss another concept, called the $\eta$-pseudo Hermiticity and explain the structure through some specific examples. Applications of PT symmetry to some different areas like optics have also been briefly discussed.
Reference(s)

Talk Title 重力波で探る隠れた質量起源
Speaker Hiromitsu Goto (Nihon U., Funabashi)
Time & Location , Room 458
Abstract 素粒子標準模型は、素粒子とその相互作用を記述する理論体系である。2012 年の大型ハドロン衝突型加速器実験における Higgs 粒子の発見によって、標準模型が予言する全ての粒子が発見され、その後の検証により、理論的な正しさが示された。一方で、標準模型の枠組みで説明できない実験事実が存在しており、標準模型を越えた物理の理解のため、その拡張が必要とされている。本研究では、標準模型の理論的妥当性から示唆される古典的スケール不変性に基づく拡張において、 隠れたカイラル対称性の力学的破れが、Higgs 粒子の質量起源と暗黒物質の存在を同時に説明するシナリオに着目した。 初期宇宙の対称性の破れに伴う相転移が一次相転移の場合、重力波が生成されることが知られている。 本研究では隠れたカイラル一次相転移によって生成される残存重力波スペクトルを予言し、 将来重力波検出実験におけるシナリオ検証可能性を議論した。本講演では、物質の質量起源と相転移、相転移と重力波の関係について簡単に説明し、宇宙の歴史における隠れた質量起源を検証する一つの方法を紹介したい。
Reference(s) arXiv:1505.00128 [hep-ph], arXiv:1709.07572 [hep-ph]

Talk Title Flow方程式、共形対称性、AdS幾何
Speaker Shuichi Yokoyama (Kyoto U., Yukawa Inst.)
Time & Location , Room 458
Abstract 本講演では、AdS/CFT対応において共形場理論(CFT)からAdS幾何が出現する機構に関するフロー方程式を用いた研究についてお話しします。フロー方程式は作用素の粗視化を記述する方程式で、格子QCDにおいて数値計算を助ける技術として発展してきましたが、この方程式を用いることで各場の量子論に対して1次元だけ次元の高い幾何を構成できることが判明しました。この付随する幾何について青木愼也氏と共同研究を行いました。その主要な結果は以下のとおりです。
ⅰ)付随する幾何の計量(誘導計量)は量子情報計量と一致する。
ⅱ)平坦な空間上で定義された任意のCFTに対する誘導計量はPoincare AdS空間と一致する。
ⅲ)CFTの共形変換は、真空期待値を取った後にAdS空間の等長変換に変化する。
ⅳ)ⅱ)およびⅲ)を共形平坦な多様体上で定義されたCFTの場合に拡張し、その曲がった空間を境界に持つAdS空間の計量を構成した。
時間が許せば、この定式化によるAdS側における宇宙定数の量子補正の計算に関する最新の研究結果を紹介したいと思います。
Reference(s)

Talk Title 自由電子による光渦の放射
Speaker Masahiro Katoh (Inst. Molecular Sci.)
Time & Location , Room 458
Abstract 通常の光は平面あるいは球面状の波面を持つ。これに対し約25年前に、螺旋状の波面を持つ奇妙な光(光渦)が存在しスピン角運動量とは別に軌道角運動量を運ぶ、とする理論的な研究成果が発表された。その後、レーザー光を特殊な光学素子を通すことで光渦を生成する手法が確立し、情報通信、ナノテクノロジー、イメージングなど幅広い分野への応用を目指して活発に研究が行われている。
一方、自然界における光渦の存在あるいはその役割はこれまでほとんど議論がなされてこなかった。このような奇妙な光が自然現象として放射されるとは認識されていなかったようである。しかし、最近、円軌道を描く電子からの放射が光渦の性質を持つことが理論的に示され、また、シンクロトロン放射を用いた実験的検証も行われた。円軌道放射はサイクロトロン/シンクロトロン放射、円偏光コンプトン散乱などの基礎を成し、宇宙物理学・プラズマ物理学から加速器技術に至る幅広い分野で重要な役割を果たす。光渦は、天体周辺の磁気圏から高エネルギー加速器まで、自然界や実験室の様々な状況で自然に放射され、その波長は物理的なパラメータに応じて電波からガンマ線に及ぶはずである。
本講演では、まず、光渦とはどのようなものか、また、これまでの光渦に関する研究について概観する。次に、シンクロトロン光源を用いて行われた高エネルギー電子ビームからの光渦放射の観測実験について紹介する。その背景にある物理として、円軌道放射が螺旋状の波面を有し軌道角運動量を運ぶことを初等的な古典電磁気学で示し、また、その直感的な説明を試みる。応用展開として、逆コンプトン散乱による渦ガンマ線の生成の可能性について述べる。本講演の理論的な内容は学部レベルの古典電磁気学の知識で十分に理解可能である。また、実験手法については予備知識が無くても理解できるように平易な説明に努める。自然科学や物理学の幅広い分野における光渦研究の可能性について皆さんと意見交換できれば幸いである。
Reference(s)

Talk Title Path integrals of a particle in a finite interval and on the half-line
Speaker Seiji Sakoda (Natl. Defence Academy)
Time & Location , Room 742
Abstract 自由粒子や調和振動子の経路積分では,はじめに位置演算子および運動量演算子の固有ベクトルがともに完全系をなすこと用いて Hamiltonian 形式の経路積分を得る。その後に運動量の積分を行うことで Lagrangian 形式の経路積分が得られる。井戸型ポテンシャルのような問題では,運動量演算子の固有ベクトルの完全系が利用できないので,自由粒子などと同じような処理はできない。したがって Lagrangian 形式の経路積分に導かれる道筋が明らかではない。この問題を解決するために,実数全体を値域とする位置演算子の関数とその正準共役演算子を導入し,その固有ベクトルの完全系を用いて Hamiltonian 形式の経路積分を構成する方法を考察する。Lagrangian 形式の経路積分に移ると,作用積分が座標の周期関数で書き表されているために,無限に多くの経路が可能となり,これらの経路からの寄与について和を求めることとなる。このとき経路積分の積分変数は,元の有限区間からその被覆空間へと変域が拡張される。ただし,被覆空間への拡張は区間の端点での波動関数の振る舞いを考慮して行う必要がある。この点に注意しながら Pöschl-Teller 系の経路積分による解法を説明する。動径調和振動子など半直線上に定義された系の経路積分を考える際にも同様の問題が生じるが,これについても同じ手法によって,演算子形式との緊密な関係を保ちながら,経路積分の導出を行うことが可能であることを紹介する。
Reference(s) arXiv:1804.00834 [hep-th]

Talk Title 超対称性の低エネルギー拡大現象
Speaker Kazunobu Maruyoshi (Seikei U.)
Time & Location , Room 458
Abstract 本講演では、近年見つかった超対称性が低エネルギーで拡大するような4次元場の理論について解説します。この4次元理論はN=1超対称性を持つゲージ理論であり、その低エネルギー固定点はN=2超共形場理論(Argyres-Dougals理論)となることが中心電荷や共形指数などからわかります。このような現象を引き起こすN=1理論の構成法、拡大現象の原理、及びその応用についてお話しします。
Reference(s) arXiv:1606.05632 [hep-th]

Talk Title 量子純粋状態の熱平衡化をめぐって
Speaker Naoto Shiraishi (Keio U.)
Time & Location , Room 742
Abstract 外部から孤立したマクロな系において非平衡状態を放置すると、必ず唯一の平衡状態へ緩和(熱平衡化)する。これはきわめて身近な観測事実であり、また熱力学の基礎にある原理でもある。これは孤立した量子多体系の純粋状態においても成り立つことが、数値実験及び冷却原子気体の実験などによって確かめられている。「量子純粋状態のユニタリ時間発展において、いかにして熱平衡化は生じるのか」という問題は、熱統計力学の基礎にある重要な問題であるとともに、重イオン衝突やブラックホールなどさまざまな分野とも関連のある問題である。この問題は、非平衡統計力学において近年極めて活発に研究されているが、未だに完全な理解には至っていない。
本セミナーでは、これまでの熱平衡化に関する研究をレビューするとともに、私自身の最近の研究結果についても簡単に議論したい。まずセミナー前半では、熱平衡化について、現状でどこまで理論的に理解できており、何が理解できていないかを議論する。まず熱平衡化の問題をきちんと定式化する。その上で、熱平衡化の問題のうち「何らかの状態に緩和する」ことについては、理論的理解はわりと進んでいる[1]ので、これについてきちんと説明する。一方、「緩和先の状態が平衡状態である」という性質は、可積分系や局在した系などは示さない性質であり、どのような系がこのような性質を持つのかという問題は極めて難しい。この問題を解くうえで、「すべてのエネルギー固有状態は熱的である(マクロに見たら平衡状態と区別がつかない)」と主張するETH(Eigenstate Thermalization Hypothesis)[2,3]が重要なのではないかと広く考えられているので、これについても解説する。
セミナー後半では、私自身の最近の研究結果について議論する。ETHは熱平衡化を示すような複雑な系においては満たされることが期待されている性質であった。これに対し我々は、「非可積分で熱平衡化するけれども、ETHを満たさない系」を構成する一般的な方法を発見した[4,5]。これは、狙った状態を複雑なハミルトニアンの中に熱的なエネルギー固有状態として「埋め込む」方法であり、極めて汎用性が高い。この結果は、ETHは熱平衡化の一般的な条件ではないことを示している。時間があれば、ETHに代わる熱平衡化の一般的な条件の候補を考察したい。具体的には、「局所保存量の有無」という要素が重要なのではないかと考えている。この条件は既知のモデルをすべて説明できる。またETHなどと違い、非可積分と考えられている具体的な系(磁場ありのXYZ鎖)に対して「局所保存量が存在しないこと」を証明することに最近成功しており[6]、個別具体的な系に対して有効に機能する基準となりうるものである。
Reference(s) [1] P. Reimann, Phys. Rev. Lett. 101 (2008) 190403
[2] M. Rigol, V. Dunjko, and M. Olshanii, Nature 452 (2008) 854–858
[3] G. Biroli, C. Kollath, and A. M. Läuchli, Phys. Rev. Lett. 105 (2010) 250401
[4] N. Shiraishi and T. Mori, Phys. Rev. Lett. 119 (2017) 030601
[5] T. Mori and N. Shiraishi, Phys. Rev. E96 (2017) 022153
[6] N. Shiraishi, arXiv:1803.02637 [cond-mat.stat-mech]

Talk Title 曲がった時空におけるのミュウオンの異常磁気能率$g_{\mu}-2$
Speaker Takahiro Morishima (Nagoya U.)
Time & Location , Room 458
Abstract 地球の重力場中を運動するフェルミ粒子の異常磁気能率$g_l-2$に対する一般相対論的効果を考察した。平坦時空における磁気能率$\mu_{\mathrm{m}}$, 地球の重力ポテンシャル$\phi=-GM/r$を用い、地球重力場による曲がった時空の中を運動するフェルミ粒子に対して、一般相対論を考慮したディラック方程式を適用すると、地上で観測されるフェルミ粒子の磁気能率は実効値$\mu_{\mathrm{m}}^{\text{eff}}\simeq(1+3\phi/c^2)\mu_{\mathrm{m}}$として記述できる。つまり、地上で観測されるフェルミ粒子の異常磁気能率$a_l\equiv g_l-2$は場の量子論的効果による補正とは別に、$|a_l|\simeq2.1\times10^{-9}$程度の大きさの補正を受けることになる。例えばミュウオンの場合を考えてみる。最新の報告によれば、理論値と実験値の差は$a_{\mu(\text{EXP})}-a_{\mu(\text{SM})}=28.8~(8.0)~\times10^{-10}~(3.6\sigma)$であるが、これは平坦時空を仮定した比較であり、地球重力による曲がった時空の一般相対論的効果は考慮されていない。そこで、背景時空としてSchwarzschild時空を仮定し、また、ミュウオンの異常磁気能率の精密実験手法 (Storage Ring 法) を想定して、一般相対論的な曲がった時空の効果を含む post-Newtonian オーダー $O(1/c^2)$ の項まで考慮に入れた場合のミュウオンの異常磁気能率の実効値を求め、理論値と実験値の比較・検証を行った。
Reference(s) [1] T. Morishima, T. Futamase, arXiv:1801.10244 [hep-ph]
[2] T. Morishima, T. Futamase, H. M. Shimizu, arXiv:1801.10245 [hep-ph]
[3] T. Morishima, T. Futamase, H. M. Shimizu, arXiv:1801.10246 [hep-ph]